「脳」の仕組みを少しだけ
「体を鍛える」などであれば日常生活でもよく使う言葉ですが、「脳を鍛える」というのはあまり耳慣れないですね。
今回は幼いうちからできる「脳の鍛え方」についてお話します。
最近の研究で運動野(※)には古いものと新しいものの2つが存在していることがわかっています。
前者が旧運動野、後者が新運動野です。
※運動野:大脳皮質で、骨格筋に随意運動の命令を出す領域
デジタル大辞泉より。
ちなみに旧運動野は下等な動物にもあるのですが、新運動野は人類など限られた高等動物にしかありません。
人間ができること
では新運動野を持つ私たち人間には、それ以外の動物と違い、どのようなことができるのでしょう。
例えば、ボール。
野球ボールをグッと手のひら全体で握ることは旧運動野でもできますが、指先を器用に使ってフォークボールを投げることは人間にしかできません。
お箸も同様ですね。
下等動物は指全部で握ることはできても、1本ずつ指先を1本1本独立させて使うことは人間にしかできません。
カギは「前頭前野」!
前置きが長くなりましたが、つまり人間にしかない新運動野を鍛えることが「脳を鍛える」ことになりそうです。
新運動野に指示を出しているのが脳の中でもおでこ側にある「前頭前野(ぜんとうぜんや)」というところです。
前頭前野は使えば使うほど、記憶したり、状況に応じて判断したり、感情をコントロールしたり、アイディアを生み出す能力が高まります。(下図)
▲信濃毎日新聞松本専売所WEBサイトより拝借
ただし先ほどお話しした新運動野は2歳頃には大人と同じように働くようにできているので、できる限り2歳頃までにスプーンを使ったり、おもちゃのピアノを与えるなど、指先を使う運動を積極的にさせたほうが良いですね。
そろばんや積み木などがGood!
前述の通り、新運動野は使えば使うほど活性化しますので、2歳を超えても積極的に新運動野を使わせましょう。
例えば、指先を起用に使うそろばんや、ピアノ、積み木などを取り入れると計算能力も上がりますし、空間認知能力も向上しますので、一挙両得ですね!