霊長類と人間の胃腸
早速ですが、私たち人間とサルやチンパンジーなどの霊長類を比べたときに、どちらのほうが胃腸が小さいか知っていますか?
答えは霊長類の中で、ヒトの胃腸は最も小さいのです。
胃腸が小さいということは、消化の悪いものを長い時間身体の中にとどめておくことができないということです。
いやもっと正確にお伝えすると、人間は消化の悪いものを長く身体にとどめておく必要がないということになります。
なぜ胃腸が小さく済むのでしょう。
カギは「火」です。
加熱調理ができる人間
私たちは食事をする際に、多くの場合加熱調理を行います。
サルやチンパンジーはどうでしょう。
すべて「生」で食事をしますよね?
この加熱調理こそが、我々人類が胃腸が小さくて済む最大の理由なのです。
人類はもともと胃腸が小さかったわけでなく、加熱調理ができることにより不要な胃腸の機能がなくなったので結果的に小さくなったということなのです。
1日の半分が咀嚼!
あるデータによりますと、もしも私たちが「生」の食材しか食べれないとすると、1日のうちの半分は咀嚼に費やされるそうです。
要は半日ずっと食材を噛み続けているということです。
これでは今日のような人類の発展も考えられませんよね。
つまり加熱調理を行うことで、咀嚼に費やされる時間がほとんどなくなり、ほかのことにエネルギーを使えるようになります。
胃腸の大きさと脳の大きさには逆相関関係があり、胃腸が小さいほど脳の大きさは大きくなるそうです。
これが、ヒトがサルから進化できた理由です。
いつも何気なく行っている加熱調理が、私たちの進化を支えていたなんて驚きですよね。